うりログ

日記歴20年アラサーOL、ついにブログを始める。

家族の死 ~介護とコロッケと藤の花~

先日祖母が亡くなった、享年94歳。

少女のような可憐な人で、体もそこまで丈夫ではなかったから、本当に大往生だった。この祖母の死を通して、いかに生きるかを考えさせられた。 

 

祖母は数年前から認知症となり最期には寝たきりで、私の母を含めた子供たちが介護をしていた。自宅での介護は大変そうであったが、入れ歯ではなく自分の歯でしっかりとご飯を食べ、家族の力とヘルパーさんの協力のもと、祖母は祖母らしく生きていた。介護をしていた当事者たちは、苦労も多かったと思うが、お葬式で見せた温かな表情が印象的であった。最期まで祖母と向き合い、出来ることはやりきったという清々しい気持ちも伝わってきた。家族が亡くなることはもちろん悲しいことではあるが、生きている時間をいかに大切に過ごすかということが、残された家族が前に進むためにも必要なことだと感じた。

 

親戚が集まるのも久しぶりで、祖母との思い出を語り合った。印象に残る思い出はそれぞれ違って、私のいとこは、祖母の家にあった新体操の道具が気になっていたというエピソードを話し、昔のアルバムから祖母が体操中の写真を探し出し、知られざる祖母の一面を知り、なんだか皆で微笑みあって、嬉しい気持ちになった。私の祖母との思い出は、なんと言ってもコロッケ。祖母の家に行くといつも手作りコロッケを作ってくれて、私にとっての思い出の味。今、自分が料理をする立場になって、手間暇かけて作るコロッケは、祖母の愛情の証だったのだなと実感する。

 

こんな風に、それぞれがそれぞれの思い出を持つことは、とても素敵だなと感じる。生きている間に、出会った人たちと大切に時間を過ごすこと、そうすることで、亡くなった後もその人は皆の心の中で生き続けるのだと思う。何か特別なことをする必要はなく、一緒にいることに感謝して、ただその時間を分かち合うこと、それだけで十分。

 

祖母は藤色が大好きで、藤色の毛糸で作ったベストを最期まで愛用していた。そんな祖母にぴったりの、藤色の花に囲まれて祖母は旅立っていった。祖母が祖母らしくいてくれて良かった。

 

鎌倉のスタバで撮った藤棚の写真を添えて… 今回はこのへんで。

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